アニメ3期、終わっちゃいましたね。
毎週末はワクワクしすぎか、何も手につかないも同然でした。大人げない…。(笑)
物凄い駆け足だったけれど、中身の濃い、とっても見ごたえのある良いシリーズでした。
話数制限があったればでしょう、
ちょっと不満なところもなくはなかったけど、
言い出したらキリがないし。
最終話はとにかくよかったvv
敦くんが大活躍で、
その端々に、あああそこ使ってくれてて嬉しいが てんこ盛りvv
芥川くんとのやり取りで「そこは操縦桿じゃない」は端折られたけど、
乗り心地が悪い、黙ってろ無賃乗車の掛け合いもあったし、
二人の掛け合いの最たるもの、月下獣羅生門、黒虎絶爪のお披露目のシーンが最高でvv
芥川くんたら何なに その “ウチの嫁は凄かろう 思い知れ”と言わんばかりのどや顔は、とかvv
もうもう萌えに萌えました♪
6カ月後に殺しに行く、その代わり一人も殺すな のやりとりもあったし
殺さずのマフィアか…という太宰さんの切なげな一言もあったし。
最後シャンパングラスで乾杯で終わるなんて何か洒落てたし。
でも敦くん、お腹空いてないか?
岩の異能でぼっこぼこにされて超再生フル稼働だったろうになとか、
思うところ山盛りだった、嬉しいエンドでございましたvv
連載の方は相変わらず重苦しい展開だそうで、
何ですか、あの青の時代の続きを執筆なされているとも聞きますので、
それを特別版のDVDで起こしてくれないかなぁとか、
今回のシリーズと次の展開への橋渡しではありますが、
乱歩さんとポーさんの凸凹名探偵コンビの活躍譚とか、
アニメ版の方も続いてくれないかなと、朧気に期待しておりますよvv
………で。
◇◇
一昔前までは
シャンプーの後の髪へのお手入れ、今でいうコンディショナーは
“リンス”と呼んでおり、原液を洗面器に溶かして使っていたのをご存知か?
そこから柔軟剤のことを“衣類のリンス”なんていうのであり、
洗濯用洗剤といや 米を計るような大きめのカップで200cc近くという量を計って使ってたと、
「うずまきの おかみさんが言ってました。」
今じゃ こぉんな小さいんだものねぇって感心してらしたと、
外回りの聞き込みから帰って来たばかりな敦と鏡花が
ナオミからお三時のお茶を入れてもらったの受け取りつつ話しだす。
ご近所に開店した百均ショップで粗品としてもらったという洗剤のボトルを見せてくれつつ、
そんな話を聞かせてくださったらしく。
アタシが若い頃は、こぉんな大箱を抱えて帰るのが大変でねと、
ちょっとしたスーツケース大くらいの大きさを
宙にカクカクッと指先で描いて見せてくれたそうな。
それらへの研究がぐんぐんと進んだ挙句の昨今では、
うがい薬でも計るのかというほどに小さなキャップに一杯分で、
8キロ分の洗濯とついでに防臭作用を対処できるまでの コンパクト化が進んだことになる。
「そういやボックスティッシュも 昔より小さくなったそうですよね。」
「そうだねぇ。」
「あ、そのお話も聞きました。昔はお買い得な日となると、
どちらのお母さんも自転車の荷台に括りつけて帰った構図がお馴染みだったって。」
今は たとい5箱パックであれ、そこまでせずとも楽勝で提げて帰れるサイズに落ち着いている。
乾電池も自宅での充電が普及したせいか、それほど頻繁に買わずとも済んでおり、
だが、そんな油断から停電した折のための分も手元になくって
わあ大変という事態になった話を聞かなくもない。
「プリンターも今時は自宅にあっても珍しくないですしね。」
「そういや そうだね。
前はコピーなんて 学校や会社かコンビニでしか出来なかったもんだのに。」
やだねぇ、何だか妾らが物凄い年寄りになっちまった気がするよと、
与謝野せんせえが形の良い眉をしかめて見せる。
そんなまで昔のことでもないのに、すっかりと塗り替えられているあれやこれやは結構あって、
意識する間もないくらい、若しくは音もなくのこと、どれほど勢いよく進歩しているものか。
小さくまとめられて便利になったとか、自宅で済ませられるようになったとか、
今時の人にはとうに自然なものとなった光景が
ほんの一昔前は信じられないような話だったなんてな進歩や変化、
今も何かしら進行中なのかも知れず、
「変わったといや、殺虫剤も変わるらしいじゃないか。」
まあまあ気を取り直されてはと、ナオミちゃんが新しいお茶をと淹れ直した香りのいい紅茶。
それを受け取りながら何かしら思い出したのか、与謝野さんが ふっと笑って見せ、
そんなお題目を唐突に持ち出した。
「殺虫剤?」
「どう変わるんですか?」
何だ何だと、敦や賢治がつぶらな双眸をくりんと見開いて尋ねれば、
それへは谷崎が応じてくれて、
「ああ、そうそう。
なんか害虫のイラストが不気味だって意見が多くって、
これからは省略されるらしいですね。」
スプレーのボディにプリントされているハエやゴキブリのリアルなイラスト、
これらに効きますと言いたくて描かれていたそれらが不気味だと、
消費者からの苦情のお声があまりに多いので、
プラ外装を剥げば無地のスプレー缶になるような仕様になりつつあるのだとか。
「一刻一秒でも早く退治したいのは山々だろうが、
そんな露骨な図柄のもの、お洒落なリビングには置きたくないだろうしね。」
小じゃれた邸宅にお住まいのマダムにしてみれば
家族の団らんの場だったりお客を招くそんなところへ
そりゃあリアルなタッチでハエだのムカデだのが描かれたブツなど置くなんて
成程 耐え難い話に違いない。
かといって、どれほど清潔に保っていても
相手も油断も隙もない存在だけに 用心しないわけにもいかずで、
やっとのこと薬剤会社の方が考慮しだしたというところかと。
「殺虫剤って呼び方もおいおい変わるらしいしね。」
Gがいなくなるスプレーだってさ。
何ですかそりゃ?と、小首を傾げた敦がそのまま呟いたのが、
「でもそんな見栄えになったら、芳香剤スプレーと間違えませんかね。」
聞いた話では、シャーベットベージュやスモーキーピンクなどといった
柔らかな色彩の無地や淡い花柄のが多いとか。
そんなスプレーなら、シックなリビングに置いてあっても浮きはしなかろうが、
同じような条件下で置いてあろう芳香剤のスプレーと間違われやしなかろか…と、
妹との同居とあって、自宅を小ぎれいにしているらしい谷崎兄が小首をかしげる。
咄嗟に掴んだのが芳香剤だったりしたら、
昨今の丈夫なGあたりじゃあ効きもしないで逃げられるのが落ちかもで。
「噂をすれば、かねぇ。」
「え?」
さすがは女丈夫で、ご本人はさほど “怖い”とは思わぬらしい、
黒髪の女医せんせえが細い顎をちょいとしゃくる。
その先の壁に さかさかッと素早く動いた影があり、
一斉に振り向いたりそちらを見やったのは全員だったが、
「きゃあっ!」
床を這い、そりゃあ素早く壁へと這い上がる禍々しき存在へ、
そこはやっぱり女の子、ナオミが高い声での悲鳴を上げて立ち上がり、
隣りにいた兄様へしがみついたのへ、
谷崎もまた まずは避難と思うたか、庇うように懐へ囲い込みつつ立ち上がって身を遠ざける。
そんな彼らとは真逆の反応で、敦がかッと双眸かっ開き、強い視線で照準を合わせ、
「待てっ!」
外から入ってすぐに室内が見渡せるというのも何なのでと
仕切りのように置かれた観葉植物用の台の側面を、
ツツツッとそりゃあ軽やかに移動中の害虫目がけ。
飛びかからんというほどの勢い、腕を伸ばしつつそちらへと駆け出している。
気のせいでなければ その双眸がネコ科のように虹彩を縦にしており、
若しかせずとも異能の“月下獣”を発動しかけてもいるらしく。
このくらいのことへ異能を繰り出すなんて大仰なと思うところだが、
不意を突かれてか悲鳴を上げて飛び上がったナオミだったことが
危機感を煽った格好、許さんという気持ちへ鼓舞にも似た拍車を掛けてしまった模様。
一瞬でも早くとか、逃がすものかという集中力からのことだろう、
普段以上に気合いを込めて、
小さな標的へ右の腕をそりゃあ勇ましくもひゅんッと伸ばしたその途端、
それへと重なり、
「待った待った、」
ある意味で場違いなほどのあっけらかんとした声とともに、
ひょいと横合いから別の手が伸びて来て、
それが触れた虎の子くんの獣化した腕や手が 呆気ないほど一気に戻ってしまっている。
「ダメだよ、そんなことへホイホイ使っちゃあ。」
「太宰さん?」
チッチッと小さく舌を鳴らして立てた人差し指をワイパーのように振って見せたのは、
国木田とやはり訊き込みで外に出ていたらしい太宰であり。
日頃は彼の側が“迷惑噴射機”などとも言われているものが、
この流れはさすがに目に余ったか、自分の異能で敦の異能へ封をしての窘めをと運んだらしい。
穢れた闖入者の方は 冷静なまま殺虫剤で対処している鏡花に任せ、
「制御出来ての話ならともかく、咄嗟に飛び出させたなんて褒められた使いようじゃあないし、
便利な機能扱いするのはもっといただけないねぇ。」
「あ…はい、すみません。」
確かにとそこは納得もしたか、薄い肩をすぼめて項垂れる少年へ、
うんうんと大きく頷いた太宰だが、
「あああ、敦くんに右手を使ってしまうなんて。」
その手をぐっと握りしめ、何やら感慨深げに噛みしめつつ言う太宰だったが、
ややこしい言い方をした途端、
はあ?と情けない貌になった国木田の横を素早くすり抜けた何かがあって。
ゴンと鈍い音がしたのは その前方へ回り込んでからという早技だ。
「……何か やらしいから辞めろ 」
「おお、幹部殿か。」
何か黒いものが翻ったなと思う間もなくの、
何をどうやって嗅ぎつけたものなやら、大外から飛び込んできた 敦少年への社外での教育担当、
太宰にとっては元相棒様による かかと落としが見事に決まったらしく。
「この事務所、もっと隙間を点検した方がよくないかい?」
こぉんなちびちゃい害虫まで入り込むなんてと、
逃げる間もなかったか 蓬髪の載った頭を押さえて
いつものごとくの悪態をこぼした包帯策士さんへ、
「ああ"? まだ言うか、この糞サバ野郎がっ!」
いきり立っての喧々諤々、言い返す語調もマシンガンの如くという
本人たちは否定しそうだが、何とも馬の合う罵倒の嵐が始まってしまい。
罵詈雑言が飛び交う様になって来そうだとあり、
???と小首をかしげている十代のいい子らを引きつれて
階下の「うずまき」への避難と相成った、探偵社調査員の皆様だったそうな。
〜 Fine 〜 19.07.01.
*愛弟子である芥川との合わせ技、
物理装甲も異能も切り裂く防御不能の神刃
月下獣羅生門 “黒虎絶爪”なんていう代物にもなろうものだというに、
くだらないことへ繰り出すなんて以ての外と
言いたかったらしい太宰さん…とするはずだったんですが。
何でだろう、ついついギャクッぽいオチを持ってくる人性が何ともはや。
あ、右手云々という太宰さんの言いようへの “意味”は、
判らない人はどうかそのまま 清らかなままでいてくださいvv(笑)

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